香の力

世界の香

世界レベルでの香の扱い方を見てみると、文化の違いが色濃く出ていて興味深いものがあります。たとえば、香といえばハーブ、ハーブと言えばイギリスですが、医療というよりもリラクゼーションとしてのアロマセラピーが最も普及している国と言えます。

アロマセラピーを専門に養成する学校も数多くあり、特に美容面での香の活用は目覚しいものがあります。教育面や福祉制度でのレベルの高さは世界の中でも高い評価を得ているイギリスでは、フランスやドイツなどの影響を強く受けていて、今後リラクゼーションのみならず、医療としての香料の活用も徐々に進んでいるようです。

では、イギリスへ影響を強く与えているフランスでは、香料はとても身近なものであり、さらにこだわりも人一倍強い国民であることが知られています。そもそもフランスで一般に普及していた香水は、もともと体臭を消すためのものだったのです。日本でも一時ブームになった体臭対策、いわゆるデオドラントの発祥の地と呼んでもいいのでしょう。

その背景には、あまり考えたくは無いのですが、入浴の習慣がなく、トイレの発想がなかった時代(今でもパリの裏通りの不潔さは有名です)に、糞尿で埋め尽くされた豪華な宮殿の庭と体臭から放たれる猛烈な悪臭があったようです。

当時の香水を作り出す技術も未熟だったために、貴族たちが使っていた香水の香は劣悪なものでした。そうした劣悪な香をフローラルなものに一変させたのは時の女王マリーアントワネットであったようです。世界一の香水と言われるシャネル5番は今でも世界中の人々を魅了しています。

現代、医療用としてアロマオイルが専門医師の管理化のもとで普通に活用されています。同様の取り組みはドイツをはじめヨーロッパ各国でも行われています。日本でも、アロマセラピーが、単にリラクゼーションの枠を超えて、医療面でも、その効能が生かされていくと良いですね。